日本独自の刀剣である「日本刀」のルーツや歴史には、ミステリアスな部分もありますが、その昔大陸からもたらされた直刀は、平安時代には湾刀として変化を遂げたなどと考えられているようです。比較的長いものを「太刀」、短めのものを「刀」などと呼んでいたそうですが、その当時太刀は腰にはいて用いたと言われています。短い刀は腰に差すことから「腰刀」などとも呼ばれ、腰刀が長くなったものを「打刀」と呼ぶようになったそうです。また江戸時代の頃になると多くの武士たちは二つの刀を腰に差すようになりましたが、比較的長い刀を「打刀」、短い刀を「脇差」などというようになったそうです。私たちが「日本刀」と一言で呼んでいる刀剣は、時代や背景、その姿形によって様々な呼び名が使われていたようですが、その呼び名の区別としては刀剣のフォルムではなく、それぞれの用途の違いであったととも考えられているようです。日本刀は、日本人の精神をあらわすものであると述べる専門家たちもおりますが、日本刀は日本人の生活に密接した特別な道具であったことは、人々の生活の変化とともに変ようする姿から伺い知ることができるものでもあります。